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学部紹介Faculty of Psychology

実証的視点と高度な知識を身につけ、
社会に広く活躍する人材を育む

Talk session7

同志社大学心理学部では、理論と実践の往還により、正しい知識と論理的な考え方を身につけます。日常生活のさまざまな場面に活かせる心理学。教育社会心理学を専門とし、自らも学部長として高等教育に従事する神山先生と、そのゼミに所属し個性を発揮する3人に、同志社の心理学と自身の成長について語り合っていただきました。

目に見えない心の仕組みに、
興味を持った。

— 心理学部を志望された理由は何ですか。

丸橋さん

赤塚さん 卒業した後にも実社会で役立つ学問を身につけるため、心理学の道を志しました。どのような仕事でも人と関わらない仕事はありません。そこで、人を知るには心理学が必要だと考えました。
西村さん 私は小学生の頃から学校の先生になりたいと思っていました。生徒から信頼されるには生徒の心を正しく理解することが求められ、それに役立つと考えて心理学部を選びました。教員を目指し始めたのは、単純ですが先生に「教え方が上手い」と言われたことがきっかけで、教員が生徒に与える影響の大きさを感じました。
丸橋さん 私は医学部志望だったのですが、思うように結果が出ずに悩んでいたときに、周囲の人からの励ましで立ち直りました。そして、医学は主に目に見える部分を治せるのに対し、心理学は心の浮き沈みなど目に見えない部分を治せるということに気づき、心の仕組みを学びたいと思うようになりました。
神山先生 本学部には、心のケアができるカウンセラーを目指して入学してくる人が少なくありません。心を知って人の役に立ちたいと思う人が多いのかもしれませんね。

基礎から学び、
しっかり身につく心理学。

— 入学して感じたことを教えてください。

赤塚さん

赤塚さん 心理学といえば、テレビなどでよく見る読心術や予言で人の選択を当てるパフォーマンスのイメージが強かったのですが、最初からそういった心理テクニックを学ぶのではなく、基礎から学べたことは良いギャップでした。2年次、3年次で専門分野を学ぶ際に土台となる、しっかりとした知識を身につけられました。
西村さん 身について良かったことといえば、客観的に自分を見てメンタルケアができるようになったことです。また、心理学部には人の心に関心のある人が多く、先生や学生が皆、人に寄り添う姿勢を大切にしています。そういう優しい人たちに出会えたことも大きな収穫でした。
丸橋さん 私は学びを進める中で、日々の何気ない行動や現象に名前がついていることに驚きました。雑音の中で自分の名前だけ聞き取れる「カクテルパーティー効果」など、日常生活で心理学を経験したときには嬉しくなります。
赤塚さん 心理学部の学生同士では日常会話にもよく現れますね。試験前は特に、思い出す意味も込めて心理学用語の出現が増えます。
神山先生 普段の生活で使えるのが心理学の面白さでもありますね。他に何か役に立ったことはありましたか。
西村さん 他人の行動が理解できるようになりました。発達障害を抱える方に対しても正しい認識を得られたため、どう対応すべきかがわかるようになりました。さらにその知識を持つことで他人にもアドバイスでき、周囲の理解を広げることにも貢献できます。

研究テーマに、
それぞれの個性が光る。

— 卒業論文はどのような研究テーマで執筆されましたか。

神山先生

西村さん 私は授業形態や評価システムが、生徒の主体性とスクールモラルにどう影響するかを調べました。スクールモラルとは、簡単に言うと学校生活における生徒の心理状態のことで、学校への適応度を示す指標になるものです。アクティブラーニングという形態や、教員との対話や自己評価を取り入れた評価システムによって、実際に生徒の主体性は高まり、スクールモラルは上がりました。
神山先生 西村さんは私の専門分野である教育を主とした研究ですが、私のゼミでは基本的に学生のやりたいテーマを尊重しています。学生はそれぞれ豊かな個性を持っているので、私が知らないネタを見つけてきて研究として発展させてくれることも楽しみのひとつです。
赤塚さん 私は最新のVR(バーチャル・リアリティ)を用いた実験を行いました。VRで人の援助行動を見ると、その後援助行動をとる確率が高くなることを確かめる実験です。援助行動をとる確率が上がるという結果は得られたのですが、VRの特徴である没入感を存分に引き出せる映像の作成は難しく、二次元の映像と比較してもあまり結果に差は出ませんでした。ただ、映像を作成するところから携わったことは良い経験になりました。その映像には丸橋さんにも出演してもらいましたね。
丸橋さん そうですね。最新の技術を用いるという点では私の研究もそうでした。「SNOW」というARカメラアプリが、利用したグループの親密度とその後のグループによる共同作業の精度に与える影響について研究しました。親密度が上がることがデータに表れましたが、残念ながらパフォーマンスの精度が高くなるという結果は得られませんでした。
神山先生 実際に求める結果が出るかどうかは、実験してみないとわからないところもあります。重要なのは、自分たちで仮説を立てて実験や調査を行い、得られた結果に対して先行研究などを用いて合理的に説明すること。それを成し遂げることが、心理学部の学びにおける最終目標なのです。

大切なのは、
人の心に耳を傾けること。

— 卒業後の進路と、心理学部での学びが就職に結びついた点があれば教えてください。

西村さん

赤塚さん 自動計測機器のメーカーで、最初は営業として働く予定です。心理学部で論理的な思考が染みついたからか、合理的な考え方を持つこの会社の社風に惹かれて入社を決めました。
丸橋さん ゲーム会社に就職します。志望理由は人事担当者の人柄に惹かれたことと、色々な可能性を与えてくれる会社だと感じたことです。採用時に職種を限定されず、入社後多岐に渡った仕事を経験できるところに惹かれました。心理学を仕事でどう活かせるかを面接で問われた際は、「実験のためのアンケート集計・分析に統計の知識を用いてきたが、社会でもさまざまなデータの分析に応用できる」とアピールしました。
西村さん かねてからの希望通り、教員としての採用が決まりました。学校カウンセラーという職が象徴するように、教育現場で生徒の話を聞いてあげられる大人の存在は重要です。心理学部で「聞く」スキルを得られたことはきっと役に立つはずです。
赤塚さん 私もそう思います。人の話を聞くスキルは、営業職でも有利に働くでしょう。就職先のビジネススタイルの一つである「お客様のニーズを汲み上げ、適切な解決方法を提案する」ことには、まず人の話を聞いて心を理解する必要があります。社会に出てから職種や環境を問わず活かせる力を身につけられたと思います。
神山先生 1年半の間、学生たちをゼミで見てきて、成長を感じるところはたくさんあります。皆さんゼミに入るまでに基礎をしっかり固めてきているのですが、いざ研究という形にしようとすると、初めは上手く定まりません。しかし、だんだんと卒業論文に向けて目標を決め、計画を立て、形作れるようになります。その過程を見られるのは楽しいですね。皆さん確実に力をつけ、研究でも就職活動でも状況に応じてその力を発揮してくれています。これからも社会での活躍を期待しています。

— ありがとうございました。

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