ISBN978-4-89775-306-5

ライフサイエンス選書

放射線災害と向き合って
−福島に生きる医療者からのメッセージ

            福島県立医科大学附属病院被ばく医療班(編)
  (現 放射線災害医療センター)



放射線災害は、21世紀に生きる医療従事者、国民すべてにとっての課題である。
爆発した原子炉、放射性物質が拡散した土地。そこで懸命に闘う福島の医療者たち。
危機管理の新たな視点を含め、彼らの思いを綴る。
(本文より抜粋)
・10人のREMATが福島医大附属病院に突然やってきたのは、その日の午後だった。 情けない話だが、心身ともに疲労の極みにあった私は、「これで普通の救急医に戻れる」と安堵した。
・今、つくづく思う。原子力災害対応について我々に決定的に欠けていたのは 原子力災害や放射線事故対応に必要とされる「コミュニケーション」と「エデュケーション」だったのではないか、と。



 第1章 あのとき、何が起こったか
 第2章 放射性物質を知る
 第3章 原爆とチェルノブイリ原発事故からわかっていること
 第4章 低線量放射線の健康リスクについて
 第5章 県民健康管理調査とサポート体制
 第6章 震災と原発事故、こころの健康にどう向き合っていくか
 第7章 放射線問題とリスク・コミュニケーション
 第8章 「想定外」から未来へ
      −危機管理のあり方、リスクとの共存−