研究紹介のページ 4 食べ止むのはなぜ?

Kenjiro Aoyama’s Page

 


食べ止むのはなぜ?

科学研究費(基盤研究C 課題番号21530778)2009-2011年度

課題名 健康な摂食量を実現するための、「食べ止む」要因の実験的な解明とその応用

科学研究費の助成を受けて、食べ止む要因の実験的な解明とその応用に取り組んでいます。

研究の狙い

人間でも動物でもある食べ物を一定の時間(数十分程度)食べ続ける場合、最初のうちは速いペースで食べるが、徐々に食べるペースが低下して行く。この数十分間の実験時間を実験セッションと呼び、そこでの食べるペースの低下をセッション内減少と呼ぶ。セッション内減少は実験セッションの最初から最後まで一定の様式で生じる。このことは、セッション内減少を生じさせる要因、すなわち「食べ止んで行く」現象を生じさせる要因は、セッションの最初から最後まで常に一貫して作用するものでなければならないことを意味する。

常識的には、「食べ止んでいく」現象には、食事を摂ることによって生じる血糖値の上昇などの栄養回復要因が関与すると考えられるが、これらの要因は食事を摂ってから作用するまでに時間がかかるため、直接の要因とは考えられない。しかし、栄養に関する要因がセッション内減少に全く関与しないとも考えがたい。

そこで、本研究課題では、栄養の要因が遅延を伴わずに作用するメカニズムを、栄養に関する過去の経験の学習に基づく「条件性飽和」の観点から分析し、健康な摂食量を実現するための食行動のコントロール法の再検討を行う。

つまり、食べ物に現在含まれている栄養の要因ではなく、その風味の食べ物に過去に含まれていた栄養に関して過去の経験を通して学習した要因が重要であると考えて、このことを実験により解明することを目指す。

研究の成果

成果の一部は、2011年5月にDenver, USAで開催されたSociety for the Quantitative Analysis of Behavior 34th Annual Conferenceにおいて、Effects of conditioned satiety on within-session changes in glucose solution drinkingとして発表されました。

また、2011年9月に慶應義塾大学で実施された日本動物心理学会第71回大会においても、「ラットのグルコース摂取行動のセッション内減少に条件性飽和が及ぼす影響」として発表されました。

 研究結果の概要