近年、心の問題が社会の中でますます重要になっています。例えば、いじめや体罰などの教育場面での問題や、少子化をもたらす一つの要因となる働く女性の子育ての難しさの問題などがあります。また、高齢化でお年寄り、さらには心の病や発達障害をもつ人々の増加が社会で注目されています。この他、心理学が中心となる学際的な研究が望まれる事象は多いと思われます。
同志社大学こころの科学研究センターは、本学専任教員を中心に、関連する研究領域の研究者および実務家を外部から嘱託研究員として迎え、プロジェクト研究を実施します。本センターでは、これらの問題について、動物およびヒトを対象に脳科学、行動科学的な基礎研究を実施します。そして、乳児から、母親、教師、そして高齢者まで、生涯教育・発達の視点から、子どもの発達支援、教育支援、高齢者支援を視野に入れた実践的研究へ展開することを目的とします。さらに、心理臨床の基礎研究と実践を指向した活動を推進します。また、社会や組織の中での対人関係のメカニズムを明らかにし、円滑な社会環境をもたらすための支援を行うことも目指します。